1−10.薬師算 |
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碁石を多数用意する。これを相手に渡して、自分が後ろ向きになっている間に、[1]のように好きな大きさの正方形を作ってもらう。次にその一辺だけを残してこれをくずし、その残した一辺に沿って[2]のように石を並べてもらう。その4列目の石の数(図の例だと3個)だけを聞いて石の総数を当てる遊びである。 s = 4n + 12 として求めることができる(ただし s ≧ 12)。この遊びを薬師算と言うのは、定数の12が薬師如来にゆかりの深い数だからである。薬師如来は12の大誓願を立てて仏となり、信者は12神将が守護し、縁日は12日である。 |
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この薬師算のバリエーションとして、三角の薬師算がある。これは環中仙の『和国知恵較』(1727)[3]に見える。石を正方形に並べる代わりに正三角形に並べて行うもので、3列目の石の数を nとすれば石の総数 sは s = 3n + 6 で求めることができる(ただし s ≧ 6)。 ところで、なぜか『和国知恵較』も『塵劫記』と同じような間違いを犯している。それは端数のない場合の総数を6または60としていることで、60は誤りで、これも『勘者・・』で指摘されている。 s = an + a(a - 1) となる(ただし s ≧ a(a - 1))。 |
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