1−17.目付け字と数当てカード |
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目付け字は2進法等を利用した日本独自の「当てもの」である。[1]はその一例で、吉田光由の『塵劫記』にある「椿の目付け字」である。 右下に一、十、百、千、万、億、兆、京、垓、杼、穣、溝、澗、正、載、極、恒(恒河沙の略)、阿(阿僧祇の略)、那(那由他の略)、不(不可思議の略)、無(無量大数の略)という21の文字(数の単位)があるので、相手にその中の一つを覚えてもらう。 1+4=5 で、5番目の文字、つまり「万」であることがわかる。 室町時代の初期に著されたと思われる『簾中抄』の中に、「いろはの文字くさり」と題して、 花にあり、葉にありとのみ言ひおきて、人の心をなぐさむるかな。 と書かれている箇所があるが、今の説明で目付け字について書いたものであることがわかると思う。 西洋にある数当てカードは、原理的には目付け字と同じである。その簡単な例を示すと[2]のようなもので、相手に1から15までの好きな数を思ってもらう。相手が仮に(2)と(4)にあると言ったら、それぞれのカードの一番左上の数、2と8を加えた10が相手の思った数である。 |
[2]数当てカードの一例
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