3−10.電卓数字パズル |
第2部の「電卓数字遊び」で電卓数字が文字遊びに使われた話をしたが、この形は数字のパズルでも当然注目されている。まず、次のパズルはどうだろうか。 電卓数字だと0,1,2,5,8は、さかさまから見ても全く同じ形をしている。では、1から99までのうち、この数字で表して、さかさまにしても変わらない数はいくつあるだろうか。この答は文の最後に述べるが、まず少し考えてみて頂きたい。 [1]電卓数字(マッチ棒による) 筆者は、この電卓数字をマッチパズルに利用することを考えた。マッチパズルには、次のようにローマ数字を使ったパズルが数多くある。
しかし、ローマ数字は最近ではなじみの薄いものになってしまった。そこでこれを電卓数字に変えてみたのだが、やってみると、従来不可能だったかけ算の問題も作ることができ、論理的に解ける問題ができるなど、新たな魅力があることがわかった。次の問題は1978年に筆者が作った第1作で、従来のマッチパズルが、大部分マッチ棒を動かすものであったので、マッチ棒の数を増減する形にしてみた。 マッチ棒で掛け算の式を作りました。ところが、だれかがいたずらをして、その式からマッチ棒を5本取り去り、図のようにしてしまいました。元の数はどうなっていたのでしょうか。数字の表し方は[1]によるものとします。
この問題の解き方であるが、まず乗数の7に注目する。これのもとの形はやはり7であるか、それに2本のマッチ棒を加えた9、あるいは3本加えた8のどれかである。被乗数の6は、もともと6だったか、8だったかのどれかである。積の1位も2か8のいずれかである。それから可能な組み合わせを選ぶと、次のようになる。 □6×7=□□2 被乗数の9は、もともと9であったか、これに1本加えた8かどちらかである。そこで最終的に検討すべきなのは、次の6種である。 (ア)86×7=602 このうち(ア)から(ウ)までの式の積は、もとの式の積752からは変換できないので、まずこれが除かれる。また、(エ)の式にするには、もとの式に6本足さねばならず、(カ)の場合は8本を要するので、この2つも除かれ、(オ)だけが残る。したがって解は次のようになる。 [4] [3]の解答 ところで、冒頭の問題の正解は10個である。つまり、 |