2−14.電卓文字遊び |
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筆記体で書いた数をさかさまにすると、ある言葉が現れるという遊びは前からあったようで、マーチン・ガードナーの『数学ゲーム I 』(著者訳、講談社ブルーバックス)にもいくつかの例が載っている。 オリバー・リーは、337-31770という番号札を自分の車に交付してくれるように市に要求している。なぜか? というのが、その一つである。 ところで、電卓が普及してくると、その独特の数字が注目されるようになった。多少違っているものもあるが、多くの場合、電卓数字は[1]のような形をしている。これをさかさまにすると[2]のようになり、アルファベットに見えるものが多いことがわかるだろう。それを表にしてみたのが[3]である。
そこで電卓に「710」と置いてさかさまから見ると「OIL(油)」と読めるし、「3215」なら「SIZE(大きさ)」と読めるというわけである。この文字を使って文章を作ることも可能で、その一例を[4]に示す。
1970年代には、こうした電卓文字遊びが流行した。1975年にジェイムズ・パインは『ボグル(BOGGLE)』という電卓遊びの本を出しているが、この本には電卓文字で作ることのできる単語の辞書がついている。単語を電卓数字に直す辞書はアルファベット順になっていて、言葉の意味まで書かれている。また数の順に単語を並べた逆引き辞典もついている凝りようである。 知人に「あなたのお生まれは?」と尋ねたら、「電卓で次の計算をしてください。私の生国がわかりますから」という返事だった。その計算は “365×6÷73=” というものだが、いったい生まれはどこだろうか。 この計算をすると30となり、これを90度回転して横から見れば「山口」と読める。したがって山口というのが答である。 もう一つ同考のものとして、13を横から見ると「一山」と読めるので、それを利用した問題も作ったが、せいぜいその程度であった。 |