3−19.匹見木のパズル |
島根県の最西南端、広島県と山口県に接したところに、匹見町という典型的な過疎の町がある。ここの町おこしの一環として取り上げられたのが、木のパズルである。町の96%が山林で、それを有効利用しようというのである。 また、パズル工場を建設して、木製パズルの生産を行い、多数のパズル玩具が制作されて市販されている。制作するパズルの選定には、芦ヶ原伸之が指導に当たっていて、信頼性の高いパズルとなっている。匹見のパズル玩具には、パズル・コンペティションの入賞作を製品化したもの、古典パズルの復刻、芦ヶ原伸之らの作品がある。 匹見町にある匹見ウッドパークの中にはパズル館があって、世界のパズルを展示している。こうしたパズルの常設館は世界にも例がない。パズル愛好家なら一度は見たい施設である。 次のものは第1回コンペのグランプリ作品「パズル五番街」(芦ヶ原伸之)を製品化したもの。9つのピースを箱に納めて、縦、横の各列に5種類の模様が全部揃うようにするパズルである。 模様をA、B、C…で表すと、ピースの構成は次のようになる。原作では、5種類の樹種からできた立方体を接続してピースを作っていた。もし自作して楽しむなら、これに準じて5種類の色立方体を接続して作るとよいだろう。 次のものは第2回コンペのグランプリ作品「ブロック・ヘッド」(ビル・カトラー)を製品化したもの。全く同じ形をしたブロック4個が箱の中に収まっている。それを箱から取り出して、だれかにもどしてもらうパズルである。出たものが入らないはずはないのだが、これが意外にてこずる。 ブロック・ヘッド タネは箱の底が次の図のように少し広がっていて、ブロックもそれに合うように作られていることにある。各ピースを正方形の面が上にくるようにして手に持ち、4個一緒に底のほうをすぼめる気分で箱に収めるのがコツである。
このほか第2回2位の「つみきDEパズル」(北島孝二)、第4回グランプリの「ジアスト・フィット」(ヴィル・ストライボス)、3位の「通しゃんせ」(平野良明)等が製品化されている。
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