3−8.お菓子の分配 |
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こども向けのパズル・ブックで見かける問題にこんなのがある。 「遊んでいる8人のこどもが、円柱形のお菓子をもらった。これを8人で等分するのに、ナイフを3回入れるだけですましたいのだが、どう切ればいいだろうか。ナイフはまっすぐスパッと切るだけで、回したり、ぎざぎざに切ったりしてはだめだよ」 これは平面的に切ろうとしてもだめで、答はむろん右のように切ることである。
ところで、3人でたとえば右のようなのようなお菓子を分けるのに、最悪でも各人の希望通り、うまくすると全員が得をするという、ちょっと考えられないような巧妙な方法がある。 この分け方は、ポーランドの有名な数学者のH.ステインハウスの著した「数学スナップショット」という本の中に書かれている。 中村義作氏は、チョコレートをコーティングしたお菓子の分配法を考えている。これも大変おもしろいと思う。次のように上の面が正方形をしたケーキがある。このケーキの上面と4側面にはこどもの大好きなチョコレートがコーティングされている。これを5人のこどもに分けようというのだが、分けたお菓子の体積が同じであることはもちろん、チョコレートの塗られている面積も全員同じでないといけない。さあ、どうすればよいだろうか。 チョコレートで覆われたケーキを5等分するには? そのやり方であるが、まず正方形の2本の対角線を引いて、上面の中心を求める。そうしたら正方形の周囲を5等分して、中心と5等分点とを結ぶ直線を引き、ナイフをこの線に沿って入れて、垂直に切り下ろせばよい。 5等分のやり方 側面の面積が5つとも等しいことはすぐわかるだろう。上面も正方形の頂点を含む四辺形は、対角線で2つの三角形に分けて考えれば、面積が5等分されていることが理解できると思う。上面の面積が等しければ体積も同じである。このやり方で、一般にn等分することも可能である。 |