マッチを使ったパズルは数多いが、この種のものは例が少ない。その中で昭和20年(1945)以前からあって、知名度も高いのがタクシーの行き先の問題である。
タクシーの行き先の問題
1人の男がAのようなタクシーを止めた。この男の行き先をマッチ棒を3本動かして示してほしい。
その答はBのようにして「品川」というのが、その答である。
しかし、著者はこれには疑問がある。Cのようにすれば「三田」となるからである。三田も慶応大学の所在地として、また三田文学等の言葉で、かなり知名度が高い。この問題はタクシーに乗った場所と行き先とをともに求める問題としたほうがいいと思っている。
マッチ棒パズルの話をしたついでに、問題を呈そう。左はマッチ棒で作った田の字である。このマッチ棒1本だけ動かして作ることのできる漢字を考えてほしい。2字以上できれば合格とする。できた漢字の形は多少おかしくてもよいことにする。 田の字パズル
この問題は、マッチ棒を1本だけ動かすパズルをある雑誌社から何題か作るよう著者が依頼されて作ったものの一つである。
最近ではコピーが普及して、簡単にコピーがとれるようになった。そのわりにコピーに関するパズルは少ないようである。ところで、コピーをとる機会の多い人ならたいてい経験していることであるが、一度コピーしたものからコピーを重ねていくと、文字の縦か横の棒が完全に消えてしまうことがある。これをパズルにしたらおもしろいのではないかと考えて作ったのが、次の問題である。
消えたコピーのパズル
これらはどれも漢字二文字からできた熟語であるが、コピーを繰り返しているうちに、横線が全部消えてしまった。これらの熟語が何であるか推理して頂きたい。ヒントは、これらがすべて東西とか昇降のように対語になっているということである。
ある時、このような二文字熟語を素材としたパズルはきわめて多いので、ありきたりの出題の仕方では平凡だと思い、なにかよい工夫はないかと著者は考えた。そのときにふと目についたのが、扇面散らし屏風である。
これが使えるのではないかと思い、具体化したものが次である。これは扇面に3つの熟語ができるように、扇の要の部分に適当な漢字を入れてもらうパズルで、ちょっと目先が変わっておもしろいのではないかと思っている。
扇面パズル
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