11月16日、(株)学研から拙作「ワンダーパズル」が発売されました。
このパズルは、枠に小長方形49単位が納まっている状態でパッケージされています。そして、枠から飛び出している1単位も一緒に枠に入ってしまうという、マジックっぽいパズルです。
今回、ここでは「ワンダーパズル」のメイン問題である、全てのピースを枠に入れるトリックの謎を明かしたいと思います。それを書くことにより、パズルの面白さや奥深さを伝えることができると思っています。そして、このトリックを知ったあなたはこのパズルを人に勧めたくなることでしょう。
それではトリックの説明です。図を見ていただければ理解できるかと思います。
まず、枠は必ず縦に置くと決めます。そしてピースのマスが縦長になるように置いていくと7×7=49単位入り、1単位残ってしまいます。それに対し、横長だと5×10=50単位入るわけです。マスの縦・横比は1:√2になっています。では、この2つの図の縦と横のサイズを計算してみましょう。
縦 | 横 | |
---|---|---|
49単位 | 7√2≒9.899 | 7 |
50単位 | 10 | 5√2≒7.071 |
このように50単位入った時の方が縦も横も少しだけ大きいのです。この「マスの縦・横比1:√2」は49単位入れた時のすき間も縦・横比1:√2になっており、最も自然なすき間になるわけです。√(ルート)をまだ習ってないという小学生も以下のサイズだったらわかりやすいと思います。
マスの縦・横比 | 5:7 | 7:10 | 12:17 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
縦 | 横 | 縦 | 横 | 縦 | 横 | |
49単位 | 49 | 35 | 70 | 49 | 119 | 84 |
50単位 | 50 | 35 | 70 | 50 | 120 | 85 |
この表からわかるように横を同じにしたい場合は5:7。縦を同じにしたい場合は7:10。49単位入れた時のすき間が縦・横同じ長さにしたい場合は12:17で作ればいいのです。
このパズルと同じ49&50単位で最も単純な分割法も紹介しておきます。
これ、小学生が工作するのにすごくいいと思います。教科書に載せてもらえるよう、頼んでみようかな?サイズは1単位12×17mm(50単位サイズ85×120mm)がいいと思います。
では、ピースセレクションについて。「01」は4単位までの全てという大変、きれいなセレクションになっています。「02」の49単位は「四角以外の4単位全て」+「短辺が2√2の5単位全て」になっております。
そして今回も「いい問題なのに使われなかった問題」があります。以下に紹介するのは分割問題といって、この実線部分で必ず分割されるようにする問題です。ここまで制限しても解があるなんて、驚きでしょ。是非、買ってこれらの問題に挑戦してください。
「01」問題
「02」問題
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