第82回~カレンダーパズル~は1~31のマスのうちの1つが穴になることで1~31を表すものでしたが、それとは別な方法で1~31を表す方法を思い付きました。非線対称形のピースは裏返すと別な形になり、どちらの面を使うかで問題を分けることが出来ることを利用したものに第57回~両面パズル~があります。その面に数を描き、足して1~12または1~31を表そうというのが今回の作品です。
ピースが非線対称の5ピースとすると、各ピースが表か裏かで分けると2の5乗の32通りあります。そして、盤面も非線対称形にしないといけません。線対称形だと全てのピースをひっくり返したものが同一解なので半分の16通り扱いになってしまうのです。ここからはピース選びです。長年の経験から、出来る限り使いやすいピースを選び、盤面も出来る限り解が多そうなもので検討しているのですが、現在、32通り全てに解があるものが見つかっていません。これはある可能性の方が高いのではないかと思っているのですが、31通りに解があるものは見つけることが出来たので発表します。もう1種だけ31通りに解があるものを見つけていて、合計解数が少なかった方がこの「足して日(にち)」です。ピースの片面は1,2,4,8,16で反対面は全て0です。そして解のないパターンを「全て0」にすることで足して1~31が可能なのです。初期配置を「足して0」にしたかったのですが、出来ずに残念です。ユニーク解は和が5, 6, 9, 18, 28, 29の6つありました。
「足して月(がつ)」は同様に1~12で考えます。単純に4ピースの表・裏で16通りですが16通りのうちの12通りに解があればいいわけではなく、1~12が可能だとしても13~16に解はあるの?ということになり、美しくないと感じるので16通りタイプは最初から検討していません。ではどうするか?同じピースを1組入れるという方法で12通りタイプが可能です。「0&1」が2つあると2つの合計は0,1,2の3通りしかないわけで、あと2ピース(2×2)を掛けると見事に12通りです。4ピースで12通り全てに解があるものはおそらく、ないです。そこで線対称形を1つ追加することで12通り全てに解があるものが見つかりました。19単位で見つかっているのですが、実際に解いてみて易しすぎたので21単位のこの作品をお薦めします。ユニーク解は和が1, 3, 6, 11の4つありました。つまり、ともにユニーク解な月日は6×4=24日あります。
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