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ワンダーランド
ジャグラー小田原の箱詰めパズル天国

第65回 チェッカーキューブ

2012.9.7

チェッカーキューブマックス

チェッカーキューブマックス(2012/06/27作)

問題:チェッカー模様で3×3×3のキューブをつくる。ユニーク解。
ちなみに色を無視すると216解。

 箱詰めパズルの1つのジャンルとしてチェッカー(市松模様)があります。ボクは今まで、チェッカーのパズルを解いたことも研究したこともあまりありませんでした。このコーナーでは第11回「ソーマキューブ」でほんの少し書いたことがあるだけです。
 なぜ研究もしなかったのかというと、折角いろいろな問題で遊べるものを、チェッカーにすることにより、遊べる問題が減ってしまうわけで、もったいないじゃないか!という思いがあったからです。今でも基本的にその考えなのですが、パズル仲間のMINEさんのブログを読んで、「そうか、色を無視すると多解だがチェッカーだとユニーク解。ということであればチェッカーにした意味があるな」と気付かされました。箱詰めパズルを長年研究しておきながら自分で気付かないなんてホント恥ずかしい話です。

 そこで早速、アソートキューブの範囲で、「チェッカーだとユニーク解&色を無視すると解数最多」の3×3×3について駒組探しをしました。アソートキューブで可能な3×3×3の駒組は686通りあり、何年も前に作成した駒組別解数表があったので新たに調べる数が少なくてすみました。結果、上記のものが「ユニーク&マックス」だったのです。
 話はMINEさんのブログに戻ります。MINEさんは使用するピースを「2×2×3に収まるもの」と決めて魅力的な駒組を探されています。なぜそのサイズ内なのかというと、どのピースも単純な計算で置き場所が確定するのを避けたということです。確かに、それにこだわる気持ち、ものすごくわかります。
 ボクの上記の作品は1ピース(W)だけ2×2×3に収まらないですよね。ということはそのピースだけ、単純な計算により、置き場所が確定するということです。黒と白の数を数えると黒が白より1個多いですよね。ということは3×3×3の角は黒でないとチェッカーにならないわけで「W」のピースは1階(3×3×3全体の鏡像や回転による位置の違いは同じとする)に置くしかありえないのです。
 簡単な計算によって1ピースの場所が決まってしまうのはこのパズルの欠点と言えるでしょう。でもパズルの授業(実は夢見ています)の題材にするには欠かせないパズルじゃないかと思っています。

 さて、チェッカーのパズルでおもしろいトリックがある作品があります。パズル仲間の石野さんのサイトから、Bill Cutler さんの Bill's Checkerbox です。全部組んだ状態で、どこから見てもチェッカーになっていればOKです。これ、黒が29個、白が31個と数が違っているので、あるトリックに気付かないと難しいです。
それと同様のトリックを使ったものもつくりたいと思い、できたのが以下の作品です。

チェッカーキューブトリック

チェッカーキューブトリック(2012/06/28作)

問題:どこから見てもチェッカーになるように3×3×3に組む。ユニーク解。ちなみに色を無視すると790解。

 アソートキューブ+「m」の範囲で調べたところ、これがユニーク&マックスです。
 パズルの魅力を伝えるため、「m」が白だった場合のチェッカーの解数も書いておきます。それは240解。と、240倍にもなるのです。パズルっておもしろいでしょ。
 製作の準備が整えば2種とも、製作を開始し、販売する予定ですが、しばらく時間がかかりそうです。

ご意見・ご感想を小田原充宏までお寄せください。


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