20年前に始めたこのコーナー、第100回に到達しました。まだまだ続けようと思っています。
今回は「100パズル」にしようと考えてみましたが満足なものが出来ませんでした。
ペントミノに縞々(しましま)を描き、縞の向きを指定して箱に入れるものは7年前に考案し、パズル会で発表しているのですが、なぜかこちらでは紹介してなかったですね。その作品は4×15、5×12、6×10の各縦縞か横縞がユニーク解になる唯一の駒組です。まず4×15がユニーク解になる駒組だけピックアップし、5×12→6×10の順で調べました。それは「ストライプペントミノ」と名付けました。
最近、そういえば縞々を描いたペントミノの5×12と6×10だけだとどのような結果になるのだろう?と気になり、調べました。すると何と5×12の片方と6×10の両方がユニーク解のものが一つだけあったではないですか! ここで考えていただきたいのは「5×12は縦縞と横縞の両方がユニーク解になるものはないことが自明」です。なぜなら、Iペントミノが縦縞か横縞で短辺の端を占有するしかなく、残った5×11は入れ替えられるので1解見つかれば、必ず2解目が存在する のです。つまり、5×12と6×10の縦縞か横縞でユニーク解になりうる全てがユニーク解だったという事です。これは奇跡的なパズルの誕生です。
さぁ、木で作ろうと思ったのですが、素子の比率を変えれば5×12と6×10を1つの箱で解いてもらうことが可能だと気付き、比率を計算するとぴったり1:2です。1:2の素子を使った場合、1:1と比べてどのような利点があるのか考えます。程無く、9×9(すき間1。8ピース)が面白いことに気付きました。どちらの辺も奇数ということは縦縞と横縞を混在させるしか解がないことがわかります。混在解は比率を1:1の素子に戻すと成立しないので1:2の素子ならではの問題ということになります。
9×9はユニーク解が5問ありましたが、1問だけどうぞ。
あと、1×1の穴をたくさん空けることが可能なことに気が付きました。
今回は全問(5問)難しいです。
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