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ジャグラー小田原の箱詰めパズル天国

第88回 ペントミノで対称形(3ピース編)

2018.6.1

ペントミノ12種

 ペントミノでできる対称形について、2ピースの場合は1999年に手作業で全て調べましたが、3ピースの場合は先月から今月にかけて、ようやく調べました(パソコンで)。全部となるとパソコンを使っていてもなかなか大変な作業でした。

 さて、「対称形を作れ」という出題形式はパズル仲間の北沢忠雄さんが2003年に発表された「シンメトリックス」が最初ではないかと思われます。それはポリアボロ(直角二等辺三角形をいくつかつなげた形)4ピースの作品で、2ピースでも3ピースでも全部でも対称形を作ることができ、とても難しく、傑作です。全体の形がわからないことが、少ないピースでも難しくしている大きな要因です。

 そんな、難しすぎてとっつきにくい「対称形を作れ」問題をとっつきやすい問題に変える簡単な方法があります。それはサイズと対称性を明記することです。ペントミノ3ピースで対称形を作る問題及び解答を整理するのに、サイズと対称性で分類するのが便利なのでそのようにしました。ここで言うサイズというのはその形を囲む四角形(斜めにはしない)のサイズのことで、「内接四角形」(中の形にとっては外接)と呼んでいます。今回出てくる対称性は直軸(斜軸に対して使用しているが正しい言い方かわからない)対称、斜軸対称、点対称、直軸2軸対称、斜軸2軸対称の5種になります。

 今回のパズルの決まり事を説明します。

  1. ピースの重複は不可。つまり、1セットのペントミノがあれば遊べます。
  2. 2ピースでできた対称形と同じ対称軸でもう1ピースくっつけた形を見つける問題は出題しない。FNWを5×5枠・斜軸対称で入れる問題を例に説明します。左側は立派な解です。右側はFとNで斜軸対称ができていて、同じ対称軸でWがくっついています。このように同じ対称軸でピースをくっつけるのは面白くないので、出題するならWを除いた「FNで4×4枠・斜軸対称」という2ピース問題になります。但し、2軸対称で片方の軸がそのようになるのは排除しません。

 最後に面白い問題をいくつか出しておきます。ペントミノ12種から3種を選ぶ方法全220通りとサイズ・対称性で分けた解数表を集計し、最も解が多いパターンはFNYで13問、計24解でした。ユニーク解最多はLNVで13問、計16解(ユニーク解は10問)でした。3×5に3ピースを入れるのは「形がわからない」という今回の問題の醍醐味には該当しないので、それ以外の2軸対称を全て出題します。

 3ピースのペントミノで対称形、最初はIとXを除いた10種で調べていました。面白いものはないだろうと後回しにしたのです。ところが、Iを使ったものにとても面白いものがありましたのでそれも紹介します。「対称形を作れ」とした時にユニーク解なのは22問あり、サイズと対称性を見て全て解いてみて、最も難しかったものはQ9です。もちろん、いずれもユニーク解です。

ご意見・ご感想を小田原充宏までお寄せください。


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