平面型の箱詰めパズルは両面型と片面型に分けることができます。片面型とは片方の面しか使わない(裏返し禁止)もののことをいい、両面型はどちらの面を使ってもいいものをいいます。
このタイトルだけ見ると、「これは珍しい両面型なんだ!」と誤解されそうですが、片面型の方がずっと少ないです。
ボクは両面型の方が好きで、片面型パズルは、少ししか作っていません。ちなみにこの「箱詰めパズル天国」での片面型は第2回「ナンバースクエア」と第27回「2004年年賀パズル」のみです。その2つ、片面型にしないといけない理由があるのですが、そのパズルを見ていただけるとその理由がわかると思います。では、なぜ両面型が好きなのか、その理由はとってもシンプル。両面型の方がたくさん遊べるからです。最近、完成形を考えてもらうという特殊なタイプのパズルをよく作っているのですが、その場合は両面型にすると難しくなりすぎる場合があり、そうならないために敢えて片面型にすることはあります。
今、「完成形を考えてもらうという特殊なタイプのパズルをよく作っている」と書きましたが、「それらは発表しないのですか?」という質問が殺到しそうなので先にその回答をしておきます。それらの多くはボクがちょうど20年前から所属している「パズル懇話会(http://pzkn.seesaa.net/)」の月に1度の定例会で発表することが多いです。ボクの最新のパズルを真っ先に知りたいという方は是非、入会し、定例会に参加してください。
さて、この「両面パズル」(2010.9.30考案)は両面型パズルか片面型パズルか?というと、これが特殊でして、全体的に見ると両面型パズルですが問1〜16は片面型パズルです。もちろん、色を無視し、単に5×5に入れるというのであれば立派な両面型パズルです。その場合は57解あります。慣れないうちはそういう遊び方をする方がいいかも知れません。販売用にはどのパターンが何解あるか全ての表と、それぞれに1つ、解を書き込めるように図を付けます。あと、問17.は、たまたま可能で驚きました。しかも色が混ざりません。
実はこのパズルの前に「レフリーカードパズル」というものを作りました。それは「両面パズル」と同じコンセプトですが5×7サイズでした。そのサイズだと初心者は手が出にくいということでサイズを小さくすることにしたのですが、どのピースにするか?は候補1つ目がこれ。つまり、試行錯誤ゼロ。1つ目が見事に、「ユニーク解が1つ以上ある」、「解なしがない」という絶対条件を満たしていたのです。このコンセプト、このサイズでこれより楽しめる駒組は無いだろうと思っているので、他を調べていません。そんな、あっと言う間にできてしまったパズルですが、かなりお気に入りです。
ご意見・ご感想を小田原充宏までお寄せください。